これまで私たちは
DETAIL GUARDZ(以下、DG)で「洗車キズ」を少しでも減らした洗車を楽しんでいただけるよう、情報発信やDG商品の安定供給を目指して邁進してまいりました。
DGを使うことで「安心して洗車できる」と嬉しいお言葉をいただくことも多いのですが、実際のところ、DGを使おうが、プロフェッショナルの方々にお任せしようが、洗車キズをまったくつけずに洗車するのは至難の業。洗車キズゼロで洗車するのは不可能と言ってもよいと思います。
洗車キズは誰もがつけたくないものですが
コンタクトウォッシュ以外でも、意外と洗車キズをつけてしまっています。それは、ドライング工程やWAX、コーティングなどの拭き取りの際に、洗車タオルでキズをつけてしまう「タオルキズ」が多いからです。QD施工をして、うる艶を目指して作業に勤しんでいると、実は傷入れ作業だった……なんてことも。
ということで、洗車で使うタオル類も、洗車工程上、非常に重要なポジションを担っています。どんなタオルを使うかで、キズの入り方も変わってきます。もちろん、皆さんの愛用ケミカルや洗車テクニックで補うこともできるとは思いますが、洗車道具のひとつとして、タオル選びはとても重要なんです。
昔、マイクロファイバータオルが主流になる前は
綿タオルやセームで、何から何まで同じ素材のタオルでガシガシ作業していたもので、「洗車キズは磨いて消したらええやん」という風潮もありました。
もちろん、今より塗膜が分厚かったという理由もあります。最近の車は年々、純正塗膜が薄くなっており、頻繁に磨いてキズを取るのは難しくなりました。頻繁に磨けないからこそ、いかに洗車キズを入れずに愛車をキレイに保つかが、皆さんの腕の見せ所。シャンプーの潤滑性やグリッドガードの有無も重要ですが、洗ったあとの拭き上げ、拭き取り、艶出し工程についても、一考していただく余地があるのでは?と思います。
昨今のちょっとした洗車ブームのなか
洗車タオルにも優れた製品がたくさん流通していますが、「遅れてきたルーキー」である我らがSmooth OperatorのSorbElite Pro Seriesタオルも、洗車民の皆さんに選んでいただきたいタオルのひとつです。
Smooth Operatorのタオルは、すべてポリエステル70%、ポリアミド30%です。ポリアミドとは、ナイロンと称されることが多いですね。このポリエステルとポリアミドの配合率の違いで、主に吸水性、耐久性、柔軟性に差が出ます。洗車民にとって関わってくるのは、吸水性と柔軟性(=塗装面への攻撃性)でしょう。
Smooth Operatorのタオルのようにポリアミドの配合を30%にすることで、吸水性と柔軟性が上がり、ドライング工程でしっかり仕事をしてくれます。吸水性が良いことは、汚れ落とし能力や、コーティング剤などの回収能力にもつながります。また、ポリアミドを多く配合することで、タオル自体がソフトになり、塗装面への攻撃性が低くなるため、洗車キズを入れるリスクが軽減されます。Smooth Operatorの70:30比率のマイクロファイバータオルの特徴は、濡れていないのに、濡れたようにしっとりとした肌触りで、塗装面に優しい材質であること。触っていただければ、その違いが分かると思います。
安価なタオルのブレンドには注意して!
80:20のタオルは70:30よりも耐久性が高く、乾きが早いのが特徴です。しかし、洗車タオルには耐久性はさほど必要なく、一定期間使用できて、性能が落ちたら交換するサイクルのほうが向いています。乾きの早さは洗車民の皆さんにとっても大事なポイントですが……。あとは、原材料費が安いため、80:20や配合比未記載のものは、買いやすい価格帯で出回っていることが多いですね。
巷には、ポリエステルとポリアミドの配合比率を記載していない商品も多く、実際に洗車に適しているかどうかの判断がつきません。配合比未記載のタオルの中には、コスト面から95:5や90:10の商品もあると聞きます。もちろん、洗車以外の用途では80:20のタオルは摩耗に強く、耐久性があるため、その性能が重宝される場面もあります。
すべての局面で70:30が最適というわけではありませんが、少なくとも私たち洗車民が求める配合比率は、70:30なのかもしれません。ちなみに、「ポリアミドを40%にできるのか?」というと、耐久性の観点から、タオルとしての形を保てなくなるようなので、皆さん欲張らずに!
「じゃあ、70:30だったら何でも良いのか?」
というと、そうではありません。使用する糸の等級や染色、生産工場の技術差などによって、流通しているマイクロファイバータオルの性能はまちまちです。肌触りはすごく良いのに、ガラスを拭くとリント(繊維くず)が出まくりだったり、色落ちが激しく、白いボディにタオルの色が移ってしまったりと、イマイチなものも正直ありますね。
現在、韓国は繊維産業において高度な技術と製造プロセスを有し、世界でもトップクラスのマイクロファイバータオルを生産できる国です。洗車業界においても、韓国製タオルは世界中でもっとも信頼性が高いと認識されています。一方、中国産のタオルも技術的に進歩しており、高品質なものも増えてはいますが、まだ韓国の品質には届かず、コスト削減のために素材の配合比率を変えたり、質の低い材料を使うことも多いようです。
Smooth Operatorのマイクロファイバータオルは、安心の韓国製100%
「韓国製100%」というのは、糸、染色、編み込みすべてが韓国製という意味です。しかも、私たちのタオルは、すべてを1社で行っており、細部にわたってコントロールできる環境で造られています。同じ韓国製でも、「糸は中国から、染色は外注……最終工程だけ韓国で行っている」なんてタオルもあるようです。
そんなこんなで
洗車民を惑わす奥深いマイクロファイバータオルの世界ですが、価格だけで選んだタオルで愛車にキズをつけてしまっては意味がありません。洗車向けに設計された、洗車民が使うべきタオルを追い求めていただきたい――それがADSからの願いでございます。
